On The Board

 春を待ちかねているのに早々とはいかず、まだまだ冷気が身を包む昨今です。もう寒いのはアキアキなのですが、何事もイッショクタにはいかないようです。

 先日、ボォ~と考えるでなく、物思い(妄想)に耽っていると、随分昔のこと、30年以上前のことを思い出しました。新宿住友ビルでカメラ屋にいた頃のことです。30年前の新宿住友ビルは活気がありまして、5Fだか6Fだかにはビル内の従業員用の食堂がありました。ある時、昼過ぎに行くと、数人の女子社員に囲まれて和やかに食事しているケッコー年配の恰幅のいい男性がいました。斜向かいから観察していましたら、ワイシャツのカフスボタンがとても変ったものでした。

 カフスの正面に、○の中に”田”の字が見えるのです。島津家かと思うところですが、周りにいる女性は顔見知りのマクドナルドの社員でして、この男性は日本マクドナルドの藤田社長でした。この藤田社長、名前が”田(でん)”で、藤田田で”田”のカフスなのです。昔の大人はこんなオシャレだったのですね。壮年の男性が若い女性に囲まれて和やかに食事している。これはケッコーいい風景でした。

 なんでこんなことを思い出したのか分かりませんが、もう一つ思い出したのが同じ住友ビルに入っていた ITT(インターナショナル・テレフォン・アンド・テレグラフ=米国の大手通信会社)の部長さんです。この方、同じ紺色のスーツを一度に6着買って、曜日ごとに替えてくるという変った方でして、「僕くらいになると周りが服装を気にするので、同じカッコーで通す」とのことでした。それでこの方がよく言っていたのが「ボードに名前が載るまで頑張る」で、これは重役になることだそうで、自意識過剰気味でしたがカワイイ人でした。

 一般社員と昼食をとる社長と重役を目指す管理職ですが、”ボード(On The Board)”に引っかかりました。なんでも欧米では”ボードランチ”(パワーランチだっけ?)という昼食があるようで、有名レストランに予約を入れて、そこで重役連中が昼食をとる習慣があるそうです。欧米人らしいと言えばそうでしょうが、実にバカげていますね。日本の社長は、社員食堂で一般社員と一緒に食べるのが普通です。幹部と一般社員、報酬の違いだけで充分なのにさらに差別を助長したいのか、食事で差をつけるなんてイヤラシイですね。

 妄想の結末が、日本と欧米の両極端な習慣の違いとなってしまいました。ワタシ、日本の良いところはこの差別をなくそうとする意思、差別をイヤラシイとする感覚だと思うのです。実際に差別がないとは言えませんが、日本人には平等であろうとする意思があると思うのです。それが欧米化の波、情報化社会の進展で変わってきているのではと思うのです。会社のお金で少人数で贅沢な食事をとるなんて、ミットモナイ、アサマシイ行為とするのが日本人だと思うのですが・・・

 30年前といえばバブル時代の初期であり、欧米的な価値観の萌芽期でもあった時代です。そんな時代を思い起こしていたのですが、ワタシはどうしても、社長と女子社員が和やかに食事している方が理想の会社と思うし、向うべき社会だと思うのです。でも現実には社会は少数の欲望を満たす社会に向っていて、主人と奴隷の社会に回帰しようとしているように思えるのです。こうした現状もワタシの妄想であればいいのですが・・・。(因みに、BoardがBoardsとなると舞台の意となり、On The Boardsで舞台に立つとなります。)
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