阿蘇の雪

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 強い寒波が日本列島を覆っています。九州の鹿児島や四国でも積雪しており、この寒波で、特に西日本に厳しそうですが、お日様の少ない年末年始となりそうです。

 位置的にイメージ的に西日本は温暖と思われますが、九州の北部はそんなに温暖じゃないですよ。私は長崎生まれなのですが、小学生くらいまでしか住んでいなかったのであてにはなりませんが、今住んでいる関東よりも長崎の方が寒かったような気がします。まぁ40年前は、どこでも今よりは寒かったかもしれませんが・・・。

 もう昔の話し、20年ほど前に年末の旅行で九州を少し廻りました。カメラ屋に勤めていまして、そこの仲間と撮影旅行で年に1回は遠出していました。まとまった休みが年末年始しかなかったもので、いつも冬場の旅行でした。

 東京から熊本までを飛行機、熊本からレンタカーで阿蘇を廻り天草へ、天草からフェリーで島原へ、島原からバスで長崎へ、で、飛行機で帰ってくるという完璧なプランで、さらに、阿蘇・天草・長崎で泊まる余裕たっぷりのプランでもありました。

 20年前のカメラ屋店員3名の撮影旅行でして、機材は豪勢なものです。発売されたばかりのキヤノンEOS-1、ペンタックス67、マキナ670がそれぞれのメインカメラでした。最高の機材で、廻ったところが阿蘇・天草・長崎、最高の撮影旅行でした。

 長崎出身者のオススメですから少し割り引いてですが、九州はいいですよ。ともかく雄大無比な阿蘇、見渡すかぎの外輪山に圧倒されます。そして、5つの橋を渡る天草は、澄み切った海とその恵みが素晴らしい。(魚が美味しいということです。)で、登って下って長崎の坂ですが、風光明媚な上に食べ物がバラエティに富み美味しい。どこも最高です。

 テレビでこうした場所が紹介されると見入ってしまいますが、阿蘇も天草も長崎もそんなに変っていない様子ですね。しかし、20年の年月はいろんなものを変えてしまいました。カメラはすっかりデジタルへ移行してしまい、フィルムを捜さなければなりません。でも、なによりも変ったのは人です。

 新品のEOSで撮影していた友人は、この5年後に原因不明ポックリ逝ってしまい、ペンタ67の彼は、この6年後会社が倒産してから、消息が途絶えてしまいました。マキナ670の私は、この3年後転職しました。

 阿蘇は、我々が訪ねた20年前と同じように、今年も雪が積もっているでしょう。20年前は、分厚い雲の間からいく筋かの陽光が差し込んでいました。陽光は、今も変らず雲間から差し込んでいるでしょうが、もう20年前とは違う色になっている。そんな気がします。
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忘れましょう。

2010年12月29日
この年末年始には寒波が降りてくるとか、天気予報では寒波は関東にはあまりかかっておらず、少し寒いで済みそうです。九州・中国・関西の方はかなり寒そうで、これこそ天の配剤ですが、お気をつけ下さい。

毎年暮れになるとつらつらと考えます。「今年はいいことなかった。」が10年ほど続いていまして、7~8年前の天中殺のような時代からすれば穏便ですが、やはり「いいことはなかった。」ですね。(7~8年前は、3ヶ月おきにほぼ1年間、身内や知り合いの葬式がありまして・・・死んでしまいそうな時代でした。)

暑いとか寒いとか、財布落としたとか、政治が悪いとか言っているうちはまだ”いい時”でして、本当に悪い時は、暑さ寒さの記憶なんてありませんし、実際に起きたことやったことの記憶が曖昧になっています。そんなに昔のことじゃないのに忘れている、曖昧なものになっているのは、心の負担を減らす、自己防衛なのかもしれません。

人の顔や名前はすぐ覚える性質ですが、花の名前や犬の種類などは全然覚えません。これなんかも、無意識に、脳が勝手に覚えるリストから削除しているようです。こうやって年の瀬にはいくらかのことは思い出しますが、これもほんの数ヶ月のことで簡単に忘れてしまうでしょう。忘れようと思っても忘れられないものが、年とともに積み重なっていきます。忘れられるものは、忘れられるうちは忘れたほうがいいようです。余計なことは忘れましょう。

大層な遊び

2010年12月27日
先日久しぶりに散歩コースである河原をブラブラしてきました。寒い時は寒い時なりの気温を体感する、そんな理由でちょいとブラブラです。

土手に沿って登っていく坂に出ると、1台のワゴン車が止まっていまして、中からオジサンが降りてきました。銃を持って。アッ!この河川の一帯は猟区だったとすぐ気づきましたが、30年ほど住んでいても猟銃抱えたオジサンを見るのは初めてでした。

「この河原に何がいるんです?」と思わず声を掛けました。
「キジ、キジが結構いるんだよ。」とオジサン。
「ワッ、渋い銃」と銃身の飾り彫りを見つけた私。
「・・・・」無言でちょっと体を反らすオジサン。
「獲ったら食べるんですか?」愚問を発する私。
「・・・、食べるよ」と一呼吸おいて返すオジサン。

オジサンがワゴンの後部ドアを開けると、小型の犬が勢いよく飛び出して来ました。そして、すぐ草むらにお尻を降ろしてジャ~。少し場所を変えて、またお尻を降ろして踏ん張っていました。
「よく躾られていますね」と私。
「犬がいないと絶対獲れないよ」と少し面倒臭そうなオジサン。
「ど~も、足を止めちゃいまして」と私。
少しニッコリ少しヤレヤレといった感じのオジサン。「ピュピュー」と口笛を吹き、犬を見ずに土手を登っていきました。

河原の中心部は、背丈の低いススキのような枯れ草が一面を覆っており、キジがいても不思議じゃない状況です。しかし、何十年もこの光景を見てきて、今日はじめてキジという存在を知ったわけです。それから3~40分ほど近くをブラブラしていましたが、銃声らしきものを聞くことはありませんでした。

よく躾られた犬がいても、そうそう獲れるものじゃないだろうし、キジを食べるんだという積極的な目的もないようです。手間ヒマかかる大層な遊びだな~。そんな昼下がりでした。

Whistleman

Roland Kirk2

クリスマス・イブにとってもそぐわないジャズマンを紹介します。「Whistleman」(ホィッスルマン)こと“ローランド・カーク”です。

 ローランド・カークは盲目のサックスプレーヤーです。でも普通のサックスプレーヤーではなく、写真のCDジャケットにあるように、同時に2本、3本のサックスを咥えて吹きます。正確には、サックスやクラリネットやリコーダーなどを、同時に口や鼻で吹くのです。それで自らを「Whistleman」と称していました。

 カークはその超絶的な演奏のため、道化役者とか奇人とか言われたこともありました。もともとは大道芸人というか路上ミュージシャンでして、その才能を発掘されて一流のジャズマンとなったのです。

アメリカでは、路上で発掘されたミュージシャンってよく聞きます。例えば、ブルースのスリーピー・ジョン・エスティス。彼の場合路上で発掘された後、不景気で路上に戻り、数年後再度発掘されています。(その時彼は失明していました。)こうした筋金入りの音楽バカは結構いまして、まさしく“音楽に生きている”のです。

 で、「Whistleman」ですが、写真のアルバム「The Inflated Tear」(溢れ出る涙)が代表作で、素晴らしいアルバムなのです。ジャズは分からんという方が時々いますが、これを聞いて何も感じなければ、もう音楽は聴かないほうがいいと思うほどです。最初の曲「The Black and Crazy Blues」は遠慮なく心の中に入り込んできます。言葉や説明は不要で、音が感情を表し、メロディが情感となって漂います。傑作です。

 カークは、1935年生まれで1977年に亡くなっています。“グロテスク”とか“道化師”とか言われながらも、頑なに自分の音を追求し42才の若さで亡くなってしまいました。ジャズやロックやブルースが好きになると、必然的にアメリカの音楽をよく聞くこととなります。それで、いろんなミュージシャンを聞いていると、彼らの音楽に対する真摯な取り組みが伝わってきます。アメリカはエンターテイメントの国と思われがちですが、地味にしつこく自分の音楽を追及する、そんなミュージシャンも多くいますよ。

 時代が違うと言われればそれまでですが、東洋の片隅のこの国では、音楽は単なる売り出すキッカケに過ぎず、音楽など二の次で、名を上げるために若い娘がケツを振ったりしています。表現したいという欲望が音楽を生み出していた時代は、すでに過去のものとなり、見栄えだけの魂のない音楽が蔓延しています。だから、日本語で歌っているのに言葉が伝わらないのです。(少なくともオジサンは理解不能です。)

 そんな状況の中でも、自分の音を探し続けている人もいます。売れようが売れまいが(これが重要なのですが)、自分の思いを表現する。そんな“こころざし”が理解される、食っていける社会であって欲しいですネ。

強い風

2010年12月23日
昨夜(ゆうべ)から強い風が吹いています。庭の木々が大きく揺れるだけじゃなく、ご近所の木々まで巻き込んで、風が手をつないでいるかのように共鳴りしています。

件の海上保安官が、停職処分を受け依願退職しました。人々の関心はテレビに出てくる頻度で増減しますが、幸か不幸か、北朝鮮の砲撃や海老蔵事件で隅に押しやられ、追いかけられる状況はあまりなかったようです。風向きがちょこちょこ変ったおかげで、彼の家族や両親がテレビ画面に晒されずに済んだようです。

天皇陛下が喜寿を迎えたとのこと、平成の年号も20年以上過ぎているのに、まだこの時期の天皇誕生日に慣れていません。いつまでも意識されないことは、かえってゆっくりと深い所に刻まれるようで、無意識下の意識は恐るべしです。これを覆すほどの風が吹くことは当分の間なさそうです。

今年のトレンドの最先端はAKB48とか。芸能に疎いので何者なのか分かりません。(知りたくもないけど)しかし、販売するCDに握手券といったオマケを同封すると聞き、何者レベルから鬱陶しいレベルに格上げしました。商売のために煽るのは常道でしょうが、もともとがその辺の娘っこ、ちょっとの運不運、ちょっとの風向きの違いで変ってしまうでしょう。だから商売上手なのか。(どうでもいいけど)

今は、2010年12月23日のお昼頃です。やっと少し風がやさしくなってきました。昨日は、季節をひと月遡ったような暖かい冬至でした。ちょっとした風向き、ちょっとした強さ弱さで、感じることや見えるものが違ってきます。寒いのに暖かい、小春日和が一番好きなのですが、これからどんな風が吹くのやら・・・。
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Author:等閑堂
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