『どん底』と『赤ひげ』


2017年11月21日
突然の寒波到来なのか、ここ数日時期を外れた寒さとなっています。寒いのはショーがないのですが、雨プラス、風プラスは辛いですね。特に当地は利根川の近傍でして、この大河近傍の風はヒドくて、ビューという風音がすると「ヒェ~」とビビッてしまいます。

中古DVD屋さんで黒澤明作品を集めています。12作ほどになりましたが、これだけでも黒澤明の人間性が充分に窺えます。最近入手した「どん底」と「赤ひげ」、この2作は特に彼の性向というか、思想というか、そんなものヒシヒシと感じられます。そして、このヒトのヒトとしての品格は素晴らしい!

「どん底」は江戸時代のそれこそ「どん底」な長屋の人々の物語で、全編が長屋のシーンで、底辺の人々しか出てきません。まるで舞台のような構成です。登場人物は「飴売り」「鋳掛(いかけ)屋」「桶屋」「遊び人」などで、10文、20文の稼ぎ、貸し借りでアクセクしています。ところが彼らが、掛け合いの即興の節(歌)で世の中を笑い飛ばすのです。初めは暗い映画だな~と観ていましたが、開き直って生きている底辺の人々が愛おしくなるのです。

そして「赤ひげ」、「蒔絵師六助」「大工佐八」「おとよ」「子鼠の長坊」といった、これまた底辺を生きるヒト達の話しですが、赤ひげ先生や若い医師を通して描いていますが、このヒト達への眼差しがとても温かいのです。物語は若い医師がこうした底辺の人々と触れ合ううちに、ヒトとは、生きるとはと自問して成長していく姿を描いています。

「(貧困と無知)それは政治の問題だ、と云うだろう、誰でもそう云って済ましている、だがこれまで政治が貧困と無知に対してなにかしたことがあるのか?」との赤ひげのセリフがあります。これが黒澤明の本音なのです。そして、ワタシ「おとよ」のくだりに参ってしまいました。泣けるんです。なのに何度も繰り返して観てしまいます。世間に苛められ続け捻じ曲がった「おとよ」の心が、徐々に優しさを取り戻していく、この過程が堪らなく泣かせるのです。

「どん底」といい、「赤ひげ」といい、黒澤明の弱者や貧者に対するマナザシはとても温かい。ワタシこの2作品は初めて観たのですが、黒澤明の個性なのか、そうした時代を読み取ったのかと思ったのですが、翻って現代はどうなのかと考えると、ただただ世知辛く、ただただ利己的な世の中となっています。ヒトの生活は豊かになっているのに、ヒトの優しさは失われていっている。なぜと再考するときじゃないでしょうか?
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IT'S NOT KILLING ME

2017年11月17日
タイトルの「IT'S NOT KILLING ME」は、マイケル・ブルームフィールドのアルバムのタイトルです。ほとんど洋楽しか聴かないワタシですが、訳詞はあまり読みません。だから「IT'S NOT KILLING ME」は、「殺されることはない」くらいに思っていましたが、訳詞では「死ぬほどのことじゃない」となっていました。なにげに大きな違いですが、マイケルの曲には「KILL」や「DEATH」の言葉がよく出てきて、なにか彼の早世を暗示していて、あまり見たくない単語なのです。

この曲、生きていくうちにはいろんなことが起きるけど、そんなこと「死ぬほどのことじゃない」という内容です。このアルバム、ギターもボーカルもマイケルの独断場でとってもいいのですが、今回はアルバムのことではなく、ワタシの身の回りで起きた「死ぬほどのこと」についてです。

4~5年ほど前から、ある中華屋さんによく通っていますが、そこで何度も顔を合わせる方がいまして、いつの頃からか挨拶以上にお話しするようになりました。この方、2年ほど前にアゴに大きな腫れ物が出来て、病院で診てもらったら「リンパの癌」でした。本音ではかなり落ち込んだのでしょうが、明るく振舞っていました。それが先日のこと、「ペットCTの検査で、腫瘍(癌)がまったく無くなっていたんだよ」と嬉しそうに声かけてきました。

「リンパの癌」は点滴による薬剤(抗がん剤)での治療がほとんどとのことで、彼の場合は抗がん剤による体調不良がほとんど起きず「全然苦しくなかった」そうです。さらに、アゴに腫れ物まで出ていたのに、脾臓にまで転移していたのに、現状は完治です。「リンパの癌」で完治、初めて聞きました。

それから1週間もしないうちにまた「リンパの癌」を耳にしました。学生時代の友人から電話があり、彼の奥さんが「リンパの癌」になったとのことです。彼はすっかりショゲて「あさって入院する」と。ショゲるのはあたり前で、ワタシは数日前に「リンパの癌完治」の実例を聞いていますが、世間には「リンパの癌完治」なんてそうそうありませんから・・・。それで「リンパの癌」の腫瘍が無くなった実例を話すと、永年の付き合いの中で聞いたことのない「ありがとう」の言葉が返ってきました。

この「リンパの癌」の話しが頭にある頃、ワタシは「IT'S NOT KILLING ME」をしつこく聴いていました。そしてタイトルの意味が「殺されることはない」から、「死ぬほどのことじゃない」にチェンジしたのも同じ頃でした。陰ながら「IT'S NOT KILLING YOUR WIFE」と祈っています。

探石行


 タイトルは「探石行」となっていますが、内容は「胆石考」かも知れません。つげ義春さんの漫画でたしか多摩川の上流に”石”を探しに行く「探石行」があったように思いますが、でもこれはどこにも行かないグ~タラで、胆石かもしれないアヤフヤな「探石行」です。

 ワタシが胆石を産したのはもう一月以上前のことです。胆石というから”石”かと思っていました。尿管結石はもっと”石”らしいのですが、ワタシの胆石はぜんぜん”石”らしくなく、ただのどす黒い泥の塊のようなものでした。過去形なのは、昔のフィルムの容器のようなものに入って、採取日時、産出検体(ワタシですね)の名前、石の種類まで記してありましたが、放置しているとカビは生えるわ、ヒビは入るわ、犬のウ○コみたいで「こんなもの!」と捨ててしまいました。

 捨ててしまってもいろいろ記してある容器は残るわけで、容器を眺めていると「こりゃ”石”が要るわな」と思えてきまして、それで探石に行かねばと思い至ったわけです。

 小さな石ころをどこぞに探しに行くのですが、要は犬のウ○コに似た石を拾ってくればいいので簡単なことと思えますが、これが以外や難しいことだったのです。試しに家の近状をプラプラすれば分かりますが、転がっている小石はどこやらから運ばれてきた瓦礫が小さくなったものばかりです。その地域で産出された”石”、元々がその地域に埋もれていたはずの”石”ではなく、どこぞで産出され、砕かれたものばかりじゃないかと思われるのです。

 ん、なぜ産地に拘るのか?と思われるでしょうが、それは本当の産地がワタシ自身だからです。私の体から、ムリヤリ砕かれた小石、青い灰色の小石が出てくる分けないし、セメントがコベリ付いた小石が出てくる分けありません。ワタシから出てきた”石”らしいものを探さなければならないのです。そうすると近所の道路脇に転がっている小石は、なにか”石”なのに人工物に見えてくるのです。ヒトがムリヤリ砕いたものだからでしょうか?

 ヒトの手が入っていない、自然に小さく丸くなった”石”はどこにあるのか?こんな問題に突っかかってしまいました。同じ落ちているものでも鳥の羽根や木片であれば、産出した大元は想像できますが、想像であって断定はできませんが、”石”の産出元は想像すらできません。そうだとすれば、出来(しゅったい)は問えないのです。

 まぁ元々が胆石の贋物ですから、出来なんてオオゴトを考える必要はないのですが、そこを空想してしまうのがワタシの悪癖です。それが”石”の出来や地域の環境にまで及んでしまいました。さらに”氏より育ち”という言葉まで浮かんできました。まぁ胆石だって、どうやって産まれて、どうやって成長し、いつ暴れだすかは分からないことで、そんな”石”の氏や育ちって何よ?あ~、アタマがこんがらがって来た。妄想はこのへんで・・・。

一部が全部を・・

2017年11月10日
先日のこと、久しぶりにレコード屋さんを覘(のぞ)いてきました。もうすっかりと(今更ながら)マイケル・ブルームフィールドにゾッコンでして、ひょっとしたら何かあるかとの思いですが、見事にナッシングでした。プラプラとしていたら、ナント、ヴァン・モリソンの新作と目が合ってしまいました。もちろん購入です。(70歳を超えての37作目の新作。スゴイ!!)

ちょっと前のこと、なんでも株価が、日経平均株価というものが、バブル経済崩壊後の戻り高値を更新したとのこです。株にも株価にも興味がないので数値は書きませんが、ケッコー世間のニュースで取り上げられていました。でも株価って、会社の経営陣が気にするのはトーゼンでしょうが、経営陣ではないその他諸々の一般人には無関係です。そして経営陣ではない一般人が世間の9割以上を占めていて、ものスゴ~イ狭い範囲のヒト達向けのニュースで、なぜそんなにハシャグのか?

既に懐かしい言葉となっているトリクルダウン。”滴り落ちる”との意味ですが、このところ、この10年、20年の経済の動きで”滴り落ちる”ことは無い!と実証されています。企業の株価が上がって給料が増えた話しはないし、社員採用が増えることも無い!(逆に減っている)どこもが”滴り落ちる”ことを未然に防ぎ、溜め込む、掻き集めることに専念しているのです。

そして今日はこんな話しがありました。ナント「米国で最も裕福な3名(ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット、ジェフ・ベゾス)の合計の資産額が、下位50%の米国人(約1億6000万人)の合計資産額を超えている。」というニュースです。これで”滴り落ちる”や”波及効果”という言葉がウソッパチとハッキリしましたね。

もうひとつオモシロイ話しを耳にしました。例のトランプのアジア訪問ですが、どこの国へ行っても兵器を売りつけていて、まったくの兵器商人のようだとのことです。そしてその兵器をバカな政治家は、言い値で、高値で買わせていただいている。いろんなカラクリがあるのだろうけど、原資はすべて税金です。哀れな国民だことで・・・。

企業は利益をドンドン溜め込み、政治家は税金を乱費して、肥え太るモノとやせ細るモノの乖離は進む。ん?これが資本主義?資本主義って民主的と思われがちですが、けっして民主的じゃないのですね。だって一部が全部を飲み込むのですから・・・。

深いため息

2017年11月7日
暦は立冬なのに、今日は遅れてきた秋が本領を発揮して暑いくらいでした。お天気はオテンキで、ヒトが合わせるしかないもので、
合わせ損ねてモンクを垂れるのはスジ違いですね。

先週からまた歯医者に通っています。上の奥歯の内側が欠けてしまって、内側がスースーの状態となっています。これは胆石の手術の際に、麻酔中に喉にクダを突っ込まれた際に欠けてしまったと思っていました。ちょうど1年半くらい前にこの近辺の奥歯を治療して、金属を被せた辺りでしたから・・・。

だから、型を取って新しい金属を被せればOKと思っていたのですが、歯医者に行って(義理の兄のところ)ビックリです。診察して開口一番「でっかい虫歯!」。「クダを突っ込まれたのはあるだろうけど、虫歯で脆くなっていたのでは?」そして「去年被せたのは大丈夫」とのこと。「えぇ~!また虫歯かよ?」ショックです。

どうやらうちの家系は歯に悩まされるようで、オヤジもよく歯医者行っていたし、アニキの一人は虫歯が嵩じてあごの骨削ったし、もう一人のアニキは酷い歯槽膿漏でしたし、ワタシは麻酔が効かずにイタイメにあって(2度も)、2年毎に虫歯を発生させているのですから・・・。でも診察後、アネに「なんで虫歯ばっかになるのかな?」と聞くと、あっさり「磨き方が悪い!」とケンモホロロ・・・。

それで今日は2回目の診察日でして、でっかい虫歯の神経を抜く日。内心かなりビビリっていたのですが、「じゃ軽めに麻酔ね」で始まって、ゴソゴソ、ガサガサ、麻酔が効いてきてもゴソゴソ、ガサガサ、一向に神経を触られる感覚がないまま終了。踏ん張っていたのに、あまりの拍子抜けにこっちがビックリ。

まぁイタイメに遭わず何よりだったのですが、この虫歯体質をどうにかせねばと思案中です。実は、1年ほど前から歯磨き後に糸ようじで掃除しているのですが、今回と逆の上の奥歯が少しばかり疼いているのです。歯医者通いが止まらない?(あぁ~っと深いため息)
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Author:等閑堂
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